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< 連載物語『足跡』の復刻について 復刻版『足跡』 [第1回] [第2回] [第3回] [第4回] [第5回] 復刻版『足跡』 --[第3回]-- 「M先輩との出会い 〜 入門へ」市民体育館に入って念願のサンドバックを空手のマネをしながら突いたり蹴ったりしてみながら、極真への思いはどんどん強くなっていきました。友達のM君と毎日通ってはサンドバックやバーベルで練習していましたが、ある日、サンドバッグの前で1人の男が準備体操をしていました。 中学を出たばかりの僕にとってはすごく大人に見えました。 <<ズバーン>> という音とともにサンドバッグが大きく揺れています。 そんなにすごい蹴りををナマで見たのは初めてだったので、マネ事しかしていない僕とM君は目が点になっていました。 だいたい2回に1回位の割合で見かけることができ、その日は、その人の蹴りに見とれて自分の練習どころではありませんでした。何をしている人なのかすごく気になってはいるのですが、なかなか話し掛けられません。 そんなある日、身長を計っていたらその人がとなりに来て血圧を計り始めました。 「あの〜」 普段は恐そうなその人が、「えっ、何?」と、とてもやさしい目でこちらを見ています。 「何か習ってるんですか?」 空手と聞いただけでもう胸が高鳴りました。 「えっ、どこの空手なんですか?」 『極真』。 高校に入学するともう頭の中は1日でも早く入門したいという気持ちでいっぱいでした。しかし、1年生は必ず部活に入らなければいけないと言われ、一瞬マズイと思いましたが、1番ヒマそうな「写真部」に入ってみました。想像通り2回位顔を出してあとは行かなくて問題ありませんでした。 あとは、格闘技が嫌いな親を何とか説得して、さあいよいよ入門です。 「はい、極真会館です」 ドスの効いた恐い声で言われて少しビビりましたが、道場の場所と練習日、入門に必要な物などを聞いて、電話を切りました。入門の日までの2〜3日は落ち着かなく、早く入りたい思いでいっぱいでした。 待ちに待った入門当日。 |